銀輪行

~サラリーマン自転車ひとりリレー旅~

【Day27 長崎県対馬市~福岡県福岡市】対馬の浅茅湾は、日本のロックアイランドだった(対馬市)

2016.5.2 対馬~博多

日本一周リレー旅、九州編(第3部)五日目です。

早朝から、魏志倭人伝に登場する對馬国(現在の対馬)の王都の可能性のある地に立つ神社を目指し、その後は高速船で一気に福岡県福岡市へ渡ります。古事記よりも古い時代の空気に触れる旅になりました。

5:00 出発(美津島町)

昨晩の宿(つりの家)

まだ薄暗い午前5時に出発。

これから、魏志倭人伝に登場する對馬国(現在の対馬)の王都の可能性のある地に立つ神社を目指します。

対馬は、九州から約132キロメートル、朝鮮半島へは約50キロメートルの距離と、地理的に朝鮮半島に近いため、古くから大陸文化が日本に伝わる玄関口でした。一方で島の形状は、南北に82キロメートル東西に18キロメートルと細長く、またリアス式海岸が発達していて平地が極端に少ないです。

魏志倭人伝でも、倭の一国として登場する対馬は、「居る処は絶島で、土地は山が険しく、深林が多く、道は獣の径(みち)のようであり、千余戸の家はあるものの、良田がないので海産物を採集して自活し、船による南北の交易によって生活していた」と記されています(要は、山ばっか)。

実際に自転車で走っていても、魏志倭人伝の記述の通りだなと感じます。

海岸沿いの道路から(美津島町)

この写真は山道から撮ったわけではなく、海岸沿いから陸側を撮ったものです。海岸線ぎりぎりまで山が迫っています。

対馬を縦断する唯一の国道382号線をひらすら北上します。

6:00 朝もやの中森の入口に佇む鳥居(美津島町)

朝もやの中森の入口に佇む鳥居(美津島町)

途中、朝もやの中森の入口に佇む鳥居に遭遇。

目的の神社ではないのですが、とても惹かれます。しかし、時間の都合上、見学せずに後にします。今日は強行軍なのです。

6:00 対馬の日の出(三浦湾)

対馬の日の出(三浦湾)

対馬の日の出。入り組んだ入江の先から昇る太陽を拝めます。

ここまで1時間ほど走りましたが、数えるほどしか車とすれ違いません。徒歩で歩いてる人はもちろん、自転車旅の人にもまったく出会いません。そもそも民家が見当たりません。

早朝ということもあるのですが、ほんとうに静かで穏やかな行程です。

ヤマネコ飛び出し注意の看板

少し寂しくなったので、ツシマヤマネコに出会いたくなります。

7:00 和多都美神社(豊玉町)

和多都美神社(豊玉町)

對馬国の王都があった可能性のある場所に建つ、和多津美神社。

鳥居が海の中まで続いています。

海の中まで続く鳥居(和多都美神社)

主祭神は、海幸山幸伝説の、山幸彦で初代の天皇、神武天皇の祖父とされる彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)の夫婦神が祀られています。神代の昔、海神である豊玉彦尊が宮殿を造り、この地を「夫姫(おとひめ)」と名付けました。竜宮伝説のもとになったそうです。

磐座(和多都美神社)

本殿の裏手の海宮山の原生林の中を少しく歩くと、荘厳な雰囲気の中、磐座がみえてきます。人の背丈よりも大きな岩が2つ折り重なっています。原生林の中の巨大な岩の塊はとても異様で、古代の人はここに何か人知を超えたものを見たのでしょうか。

 

豊玉姫の墳墓

神社を巡る私の楽しみの一つは、その神社がこの場所に建っている理由を探すことです。現地を見回すと何かそれらしき跡がある場合があります。この神社では、まさにこの磐座のために神社が建ったのだと思ってます。そんな、威厳のある場所でした。

今私が立つこの場所で、数千年前の古代の人は、ここでどのような営みを送っていたのでしょうか。考えるだけで、わくわくします。

さて、ここにはもう一つ素晴らしい場所があります。この神社の前を通る道を15分ほど自転車で登った先にある烏帽子岳からの浅茅湾の景色です。

8:30 烏帽子岳からの浅茅湾の景色

烏帽子岳からの浅茅湾の景色

リアス式海岸特有の入り組んだ入江に、緑色の丸っこい形をした小島がいくつも浮かんでいます。まるでパラオのロックアイランドのようです。

この美しい景色を独り占めしながら、贅沢な朝食です。

美しい景色を独り占めしながら、贅沢な朝食

展望台近辺には駐車場も完備されており、私が一人朝食を食べていると10数人くらいの韓国からの観光客が昇ってきました。狭い展望台がぎゅうぎゅう詰めになりましたが、賑やかな人たちで、写真をとってあげると 向こうが知ってる日本語を連呼してました。こちらも、韓国語?の「はいチーズ」でお返しすると、とても喜んでくれたようでした。

残念ながら、対馬めぐりもここで終了です。

9:30 バス輪行(豊玉町)

輪行バッグに自転車を詰める

ここ豊玉町から、博多行の高速船乗り場(厳原港)まではバスで輪行です。

今回の旅は途中輪行が比較的多いので、自転車の分解もだいぶ手早くなりました。輪行バッグを比較的大きめのものにしたので、分解する部分がタイヤのみ、と少なくできたことも大きいです。

12:00 昼飯(厳原町)

自転車だと3時間はかかる行程をバスで30分ほどで、厳原港まで戻ってきました。

石垣っぽい民家の塀(厳原町)

あまりに早く着きすぎて出航の時間まで小一時間ほど時間が余ったので、厳原の町を散。なんとなく撮った石垣っぽい民家の塀。古い歴史がありそうです。

対馬の地物のお寿司(味処 千両)

対馬最後の晩餐は対馬の地物のお寿司。法事の団体さんが入っていった店なので間違いだろうと入って正解でした。

特にふっくらとした対馬の穴子は一年中旬だからか、今までで一番美味しい。肉厚と食感がすごい。回るお寿司屋さんの穴子の肉厚に慣れていたのですが、ここの穴子は3倍くらい肉厚があります。

おなかも満たされ、そろそろ出航の時間です。

15:30 博多港(福岡市博多区)

博多港(福岡市博多区)

厳原港から高速船で2時間強。15時過ぎに九州は博多に上陸です。

さすが九州一の大都会、博多。港が賑わってて、平日の昼間から飲んでる人多数です。

18:00 到着(福岡市城南区)

高校時代の友人宅に到着。

とんこつラーメンを食べながら、昔話などで盛り上がる。

本日の記録

  • 走行距離:34.1km + フェリー
  • 所要時間:13時間
  • 総走行距離:2134.6km
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