銀輪行

~サラリーマン自転車ひとりリレー旅~

【Day26 佐賀県唐津市~長崎県対馬市】古代への玄関口、壱岐~対馬(壱岐市)

2016.5.1呼子~唐津~壱岐~対馬

日本一周リレー旅、九州編(第3部)四日目です。

唐津からフェリーで、壱岐、対馬を巡ります。魏志倭人伝にも登場する場所で、古事記よりも古い歴史に触れる旅です。ただし、2日後に福岡で高校時代の友人と再会するため、1泊2日で壱岐と対馬をめぐる強行軍になります。

6:00 出発(呼子町)

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壱岐行き始発のフェリーに乗るため、6時前に出発。もう空は明るいです。

6:30 玄界灘の日の出

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東松浦半島を時計回りにすすみ、昨日経由した唐津のフェリーターミナルを目指します。

朝日に照らされた玄界灘がとても美しいです。

と、道路標識に「天然記念物 七つ釜」という文字が飛び込んできました。フェリーの時間には間に合いそうだったので、ちょっと寄ることにします。

7:00 七ツ釜(唐津市)

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7つの海食洞があるということから、「七ツ釜」と名付けられたそうですが、実際には7つ以上あります。

大きい洞は観光船も入るくらい大きいです。早朝のためか展望スポットには誰もいませんが、反対側の崖下に釣り人さんと、この観光地の入口に一人用の赤いキャンプテントが一張だけぽつんとあります。

この人も自転車の旅をしてきて、昨晩はこの玄界灘の景色を眺めながら夜を明かし、日の出も眺めたのでしょうか。いつも宿に泊まっている私にはできない体験です。

こういう旅も素敵だなと思いながら、お互いの旅の無事を祈りつつ、玄界灘を望む高台の草原にぽつんと佇む赤いテントをそっと後にします。

8:30 唐津東港から出港(唐津市)

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1時間ほど走り、フェリー乗り場に到着です。
壱岐まで、ゆったり2時間フェリーの旅です。

ここでちょっとうれしいことがありました。

唐津のフェリー乗り場で、壱岐から対馬までのフェリーの時間を私が間違えており、このままだと、壱岐の滞在時間1時間ですぐ別のフェリーにのることになることがわかりました。ほかの移動手段としての高速船は予約で満席。
窓口のお姉さんに旅の事情を話し、壱岐にも数時間滞在したいという希望はつたえてたものの、やはり「予約がいっぱいで・・・」とのこと。
ひとまず壱岐までいってから次を考えようと思って出航を待ってると、窓口のお姉さんが走ってきて「高速船にキャンセルがでたので仮押さえしておきました~」と、神対応してくれました。

旅先で親切を受けるととても幸せな気分になります。

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午前8時半ごろ、唐津東港を出港。

遠くに日本のモンサンミッシェル(と、勝手に私が思っている)、唐津城が見えます。

これから2時間の船旅です。

壱岐は、九州北方の玄界灘にある南北17km・東西14kmの大きくはない島ですが、あの魏志倭人伝で邪馬台国に至る中継地点の国として登場し、一大國という名で呼ばれ、古事記よりも古い時代から国が栄えていた島なのです。

古事記よりも古い時代好きとしては、対馬と並んで、ぜひ行ってみたい場所でした。

10:30 印通寺港フェリーターミナル(壱岐市)

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深い瑠璃色の玄界灘をしばらくながめていると、遠くに壱岐の島影が見えてきました。いよいよ初上陸です。

上陸後、まずはじめにやることは腹ごしらえです。朝からまともに食べてなかったので、がっつり食べたいなと、壱岐牛の店を探します。調べてみると、ネットの評判の良い店がここから10キロ先に見つかりました。

電話予約を試みましたが、もう予約でいっぱいとのこと。でもどうしても牛が食べたかったのでダメ元で10キロ走って「壱岐牛 うめしま」へ。

12:00 壱岐牛(壱岐市)

開店前の11時半前なのに10人くらいの行列が並んでます。さすが人気店です。

並んでいる人は予約済みの人ばかりでしたが、だめもとで並んでると、相席なら入れるとのこと。運が良い。

何を注文しようか悩んでると、相席になった孤独のグルメ風紳士(こちらも予約してない人)が、一番高いサーロインステーキを注文しました。「お、豪華ですね」と声をかけると「せっかくここまできたので」と。

私も奮発して、孤独のグルメ風の紳士と同じものを頼みました。

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肉厚があるのに、柔らかくて歯ですぐ切れる。ひさびさにおいしいステーキを食べた気がします。壱岐牛、また食べに行きたいです。

お腹も満たされたので、いよいよ一大國の王都を目指します

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さすが島らしく、基本的には小山をいくつも越えなければどこにもいけません。

いくつか小山を越えていると、途中にあの天照の弟神の月読神社を見つけたので、一休みします。

13:30 月読神社(壱岐市)

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全国の月読神社の元宮で旅の安全祈願。

天照大神の弟の宮なのに意外に小さいけど、本物は案外そういうものなのかもしれないなと自分を納得させます。

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ご由緒です。

西暦487年に京都に分霊とあります。
京都に都が移ったのが西暦794年なので、それよりも300年も昔の京都の地は当時どんな意味を持つ場所だったのでしょうか。古代ロマンを感じます。

しばらく小山道を抜け、今度は歴史博物館へ。
王都の場所に行く前に一大國の歴史を予習です。

14:00 壱岐市立一支国博物館(壱岐市)

博物館では、おもしろい演出がありました。

入口の最初の方で窓が締め切られた大部屋に通されます。するとスピーカーから魏志倭人伝の説明が始まり、一大國の説明に差し掛かると、そのタイミングに合わせて前方の窓が一斉に開かれました。

王都があった平地が一望です。

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小さな島には珍しい広大な平野があります(もっと大きな対馬には、こんな平野ありません)。この平野に王都があったそうです。当時は、近くまで海の水を引き込み港とし、外国からの使節もやってきたそうです。

今は王都復元公園となっていて、王都跡には自由に入ることができます。

15:30 原の辻遺跡 王都復元公園(壱岐市)

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遠くに見える櫓から、外国の使節の来訪や外敵の侵入を警戒していたのでしょうか。高床式倉庫や竪穴式住居など、学生時代に教科書で見たような建物が多数復元されており、すべて中にも入れます。

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外国使節の宿泊用に使われた竪穴式住居の中です。

他のより大きいのですが、中に入るとじめっとして居心地はあまりよくなさそうです。当時の中国や朝鮮の文化レベルからすると、このような家にはあまり長居はしたくなかったのかなと思ってしまいます。実際、一大国は邪馬台国への経由地でしかないとすれば、ただの補給基地だったのかもしれません。実際はどうだったのでしょうか。古代ロマンを感じます。

30分ほど散策し対馬行きのフェリー乗り場へ。

対馬までは高速船です。高速船だと自転車はそのままでは乗せられません。というわけで、自転車を輪行バッグに詰めます。

対馬まで2時間ほど、本日2度目の船旅です。

19:00 到着(対馬市)

19時過ぎに対馬に到着。

もうあたりは暗いです。ここから宿まで自転車で1時間弱かかります。無理です。危険です。しかし不幸中の幸いというか、高速船のために自転車は輪行バッグにつめていたので、すぐにバス輪行することができました。運が良い。

バスで30分ほどで宿です。

あたりは暗くて対馬がどんな景色なのかはまったくわかりません。ただ少なくとも、坂を上ったり下ったり、道もそれほど広くない、結構きつそうな地形しているなということは想像できました。

宿の最寄りのバス停に到着。

10分ほど自転車を担いで歩くと、本日のゴール対馬の宿に到着しました。

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対馬は国境の島と言われるだけあって、体感的に韓国人が多いです。バスを降りると早速、車を横付けされて道を聞かれたり、宿でも初対面で世間話されたりする。向こうは韓国語、こっちは片言の英語でなんとなく意思疎通した気分。韓国の人は人懐っこいのでしょうか。言葉が通じなくても、ぐいぐい話しかけてきます。悪い気はしません。

本日は、40キロの走行。明日は、早朝から対馬の絶景を目指します。

本日の記録

  • 走行距離:48.6km
  • 所要時間:14時間
  • 総走行距離:2100.5km
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